キーワードは‘好き’

障がい者乗馬のボランティアを始められた のらじさんから次のような質問がありました。

『脳障害をもつ子供がレッスン中に飽きて馬上で動くので、先輩ボランティアさんが、一度落馬を経験させた方がいいなどと言うのですが、どうでしょうか?・・・』

その乗り手さんの様子や状況がわからないのでお答えのしようが難しいのですが、私たちの乗馬会での事例がなにかヒントになればと思います。

月に1回の定例乗馬会に来る子供さんは自閉症といわれる人がほとんどです。
ゆうま君はほとんど言葉はありません。
しかし、こちらの言うことは理解している、と思います。
乗るのは大好き、しかも速足などはもっと好きでテンションがあがります。
楽しく乗ってもらうだけでもいいのですが、テンションの上がりすぎで馬上で動きすぎるのは危険だし、みんなとのゲームができないのは困ります。
そのための『約束』は守ってもらうようにします。

守れない時にはそこで、乗馬は終わり、だよ。
黙って聞いているゆうま君です。解っているけど、抑えられない気持ちと葛藤している時間が流れていきます。

(輪投げの輪やバトンもすぐに喜んで投げてしまいます。)
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日曜日も輪を取ったらもうすぐに笑顔で投げてしまいました。
そこで、投げない約束と、 具体的に‘黄色のコーンまで’持っていく、とか‘元のところに掛けよう’ とがんばる区切りを言ってサイドの人たちが励まします。
そしてできたら、大拍手!
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乗馬会の馬場にはカラーコーンを目印に置いています。
飽きてしまう子供さんには具体的に黄色と黄色のコーンの間は片手を上げる、とか歩度を速める、緩める、とか具体的な目標を示して変化をつけたりしています。

こちらの指示がなかなか受け入れられない子供さんに‘ハッ’とさせる意味で落馬、ということがでてきたのかもしれませんが、落馬が自分の行為によるものだ、と関連づけられなければ意味がない様に思います。


ケイタ君はもう10年の乗馬歴です。
曳き馬で乗っているのはリラックスしすぎ?の感のある最近です。
自分の気持ちも時々言葉で伝えてくれるようになったケイタ君です。
次の段階として馬にも自分の意思を伝えて動かしてもらいたいなあ、と思っています。

曳いてもらっている時は安心から、手綱をしっかり持てません。
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手綱をしっかりもたないと、ギンガは勝手に走っていってしまいます。
それは、嫌なケイタ君。
走るのが嫌ならしっかり持つ、を伝えます。
曳き手に頼らないでしっかり持ち始めました。
曳き手を離すのを最初は拒んでいたけいた君ですが、最近は自分でなんとかしようという意志と動きがでてきました。
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子供達とコミュニケーションを取れるように成るには時間が掛かると思います。
馬とのコミュニケーションもしかり。
よく観察し、行動の意味を探ることが大事だと思います。
乗り手が動く、というのも飽きているのか?もしかしたら嬉しさ、楽しさの表現かもしれません。
私たちもまだまだ試行錯誤。
悩むことも多々あります。


支援学校の教師である山元加津子先生のお話にでてくる原田大助さんの詩です。

『本当に
仲よくならんと
目なんか
あわせられん』

先生はこう書かれています。

『会話がかみあっていなかったとき、目を合わせてくれなかたとき。
大ちゃんはわざとそうしているのでもなく、意地悪をしてそしているのでもなく、
本当に仲よくなっていない人の言葉が、大ちゃんの心に入ることができなかっただけのことだったのです。』

乗り手のみなさんを好きになって仲よくなること、これが一番かな。
そこには馬がいるからきっと大丈夫。
共通の 好きなもの、は馬!だからね。

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この記事へのコメント

のらじ
2010年06月30日 09:16
> 共通の 好きなもの、は馬!だからね。

ほんとそうですよね♪おなじ乗馬仲間として
障害があるために乗馬をするのが大変なら、
おなじ乗馬仲間として手伝ってあげたい。

それに、大スキな馬が、ギャンブルではなく、
もっと堅実な仕事で人間と一緒に働けば
盲導犬のような養老システムが当たり前になる
かも知れないと期待もしています。

今まで、私は、心から馬を愛して接することを
無責任だと考えて控えていた面がありました。
そんな風に接して馬に芽生えた信頼関係の心を、
人間の勝手な都合で踏みにじって終わらせてしまう。
それが辛くて辛くてなりませんでした。

でも、障害者乗馬にかかわろうと決めた今、
遠慮なく馬に愛を伝えていこうと考えています。
障害者乗馬にこそそんな馬たちが求められている。
もちろんその責任の重さも良くわかっています。

経済動物だなんて認識は深く改めてもらいたい!

私たちの一番大事な乗馬仲間は馬ですもんね♪(^_^)v
パカ子
2010年06月30日 22:10
のらじさん、そうですね、馬との信頼関係、馬への愛情を全うすることは本当に難しいことで、だからあえて深く付き合うことを避けてしまう気持ち、切実に解ります。
我が家も扶養家族がいっぱいでこの先の不安もありますが、なんの文句も言わず付き合ってくれる、この良きパートナー達と過ごす時間を大切にしていきたいと思っています。
のらじさんのようにまた、馬と人とを結びつける事に関わって下さる方が増えること、とても嬉しく思います。
がんばりましょうね。

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